NTTドコモ社長・加藤薫--スマホを入り口に物販まで手掛けていく
モバイル通信ビジネスでは、無料通話サービスが出てきていることもあって通話料収入は減っている。データ収入はまだある程度伸びるだろうが、料金に上限を設けた定額制プランにおいてはいずれ頭打ちとなるだろう。
では、われわれは何で成長するのか?そこで考えたのがモバイルを核としつつ、多様な分野と手を組んで総合サービス業を目指すということだ。
こうした方針は私自身、社長になる前の経営企画部長の頃から考えていた。有機野菜宅配サービス会社のらでぃっしゅぼーや、音楽ソフト販売のタワーレコードの子会社化など、すでに実行に移しているものもある。
これまでの事業領域から離れたところと手を組んだので唐突感を持たれた方もいたようだが、ビジネスとしてはつながっている。たとえばドコモのスマホにはビデオや書籍などさまざまなコンテンツが取りそろえられたドコモ直営の「dマーケット」が用意されている。ビデオなどはほかのインターネットサイトでも見たり買ったりできるが、無数にあるコンテンツの中でドコモが選んだものという安心感に意味がある。アップルがアイフォーンでアプリを厳選して管理しているのと似たビジネスモデルといえるだろう。
われわれはそこからさらに物販にまでつなげていく。dマーケット経由で、お客様がらでぃっしゅぼーやの宅配サービスを受けられるといった具合だ。