美容に関する幅広い発想に触れるにはどうしたらいいか。そう考えたとき、目をつけたのは、アパレルやトイレタリーなどの分野に強みを持つコンサル、伊藤忠ファッションシステムだった。
砂金氏は化粧品メーカーに対するコンサルティング業務を担い、市場レポートの作成やブランド立ち上げ時のコンセプト作りなどを、外部企業と一緒になって行った。
「さまざまな企業の開発に対するスタンスを、一歩引いたところから眺めることで、自分の思考の幅を広げることができました」
が、またも1年半という短期間で次のステップを見いだす。
「コンサルも楽しい仕事でしたが、ものづくりのラストまでかかわれないフラストレーションが大きかった。やっぱりもう一度メーカーに戻りたいと思って、一時アルビオンに戻った後、09年にポーラに」
コンサル時代を経て、凝り固まった思考をほぐすことができただけでなく、ものづくり屋としての闘志に火がついた砂金氏だった。
30代後半、やはりリーダーになりたい
ポーラを選んだのには、もうひとつ理由がある。「私自身30代後半に差しかかって、ずっと感度を高く持ってものを作れるわけではない。なので、次の世代の育成にも携わりたい、そういうリーダーになっていかなければと思いました」。
アルビオンでは開発のプロとして、年俸制契約で働いていたため、開発関連部署以外との交流はほとんどなかった。他方、ポーラには社員として入社。商品開発の領域にとどまらず、経営の視点を身に付けられる現場に、砂金氏は身を置いている。
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