それで世の中ちょっとでも良くなれば。近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」という気持ちを、アニメ作りでもやりたいと思っているんです。
――『プリキュア』成功の裏には、そういう思いが込められているのでしょうか?
結局、映像作品だけでなくて、おもちゃも『プリキュア』という作品の一つなんです。それと『プリキュア』はデパートの屋上とかでよく着ぐるみショーなどのイベントをやっていますが、そこに行けば子どもたちは『プリキュア』に会える。もちろん最初からそういう考えでプロジェクトを立ち上げたわけではないですが、みんなで考えていくうちに、そういう世界観になってきたんです。
ベタなものをきちんとつくることの大変さ
――長峯監督が今のアニメ界に思うことは?
僕は自分で作品を作る時に、「クラシックな物はクラシックでなくてはいけない」ということを意識しています。『ONE PIECE』はちゃんと『ONE PIECE』でなくてはいけない。だからそのためには技術が必要になる。今、ベタなものは簡単に作れると思っている雰囲気がありますが、そういうクラシックなものこそ、きちんと作るのはけっこう大変なんです。
――やはり東映アニメーションにはこれまでの道を進んでほしいという気持ちはありますか。
誤解を恐れずに言うならば、僕たちの商売は子どもを喜ばせてナンボ。人気があるということは、文化として発展しているわけですから。経済的な基盤がなく、補助金などが入るようになったら、大衆文化としては多分終わりです。
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