「保険は成長産業だ、日本市場もまだ伸びる」 東京海上日動の北沢社長が語った

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──生保と損保の一体経営を掲げるが、これは海外にも例がない。損保はともかくとして、生保もよほど特徴のある商品の品ぞろえがないと成立しないのでは?

顧客にとっては、生保も損保も保険は保険だ。どちらも必要であって、病気も含めてお客様を経済的に守る。生損どちらも提案して理解いただく。これを続けることで、「売る」のではなく「選ばれる」保険会社になる。

生命保険には貯蓄、保障と幅広いニーズがあるが、貯蓄は銀行預金や投資信託でも行える。東京海上日動あんしん生命保険は保障性商品に重点を置いており、そこに強みがある。私があんしん生命で開発した、使わなかった保険料が戻ってくる商品は、掛け捨てを躊躇される方でも加入しやすい。独自の商品であり、まだどの会社も追随してきていない。

損害保険では137年という長い歴史があり、自動車保険や火災保険を通じてお客様と強い信頼関係がある。そこに医療保険やがん保険という保障性商品を提案する。時間のかかる取り組みだが、うまく回転し始めている。

──業界で初めて生保、損保両方のトップを経験することになった。

両方の社長を務めたというのは例がないと思う。両方を経験することで、生きてくる部分がある。あんしん生命の社長を務めていたときに東日本大震災を経験した。被災された方々の話を聞き、生保、損保両方とも本当に必要であることを痛感した。

代理店でも「なぜきちんと生命保険をご案内しておかなかったのだろうか」と悔しい思いをした方が何人もいる。どちらもしっかり提案する事業モデルを浸透させていく。

「スペシャルティ」に活路がある

──人口動態以外にも、自然災害の多発やテクノロジーの進化など、環境変化は激しい。どう対応するのか。

5年後、10年後の社会変化に応じ、どのような保険が必要か研究開発(R&D)に力を入れている。いろんな分野でR&Dをやろうとしているが、ひとつは、医療、農業、介護といった分野であり、突き詰めると「日本を元気にするプロジェクト」と言える。

少子高齢化が進む中で、企業についても医療、介護は重要な分野だ。従業員にできるだけ元気に働き続けていただかないと、日本の社会は維持できない。富士通と提携して、企業や健康保険組合が持つ健康診断やレセプトなどの情報を活用し、効果的・効率的な保健事業の計画策定・実行を支援する「データヘルス支援サービス」を昨年立ち上げた。「健康経営」に取り組む会社が増えており、サポートしていく。

保険の分野は大きく分けると、個人と企業、海外と国内、それから自動車保険と火災保険、新種保険に分類される。自動車保険も当然R&Dの対象であり、自動車、火災とも新しいアイデアで伸びることはできるが、企業の新種保険、ここに専門性の高い特殊な分野、スペシャルティと呼ばれる大きなマーケットがある。

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