海外組に学ぶ「上司にわからせる技術」 長友、乾、細貝の自己アピール法

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みんなが気づいてないことをやる

細貝萌(現レバークーゼン)の場合、ドイツ2部のアウクスブルクに加入したとき、みんなが気がついていないことを実行して、自分の存在をうまく浮き立たせた。

細貝はドイツに行く前、元日本代表の中田英寿からこんなアドバイスを受けた。

「日本人は気を使えるから、そういうプレーをしたほうがいい」

ヨーロッパや南米の選手は、自分のよさを全面に押し出してプレーするのは得意だが、チームに足りないことを見つけるという気配りの能力に乏しい。そういう中で気を使えることを示せば、自然と監督の目に飛び込んでくるだろう。中田英寿はイタリアとイングランドでそれを身をもって学んだのだ。

当初、細貝は「大ざっぱなアドバイスだなあ」と感じたが、実際にプレーして中田英寿の言葉の意味をすぐに理解した。日本では気配りは誰もが持っている標準的なものだが、ヨーロッパでは大きな武器になる。細貝はチーム全体のバランスを見る選手として、アウクスブルクの1部昇格に貢献。今季から加入したレバークーゼンでも、主力の負傷離脱でめぐってきたチャンスをしっかりとつかみ、レギュラーとして活躍している。

わかってもらうのではなく、わからせる――。プロの世界では、ただアピールするのでは足りない。時にサプライズを利用して、時にわかりやすく、人にはない視点で、強く存在を響かせる姿勢がカギになる。

木崎 伸也 スポーツライター

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きざき しんや / Shinya Kizaki

1975年東京都生まれ。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。2002年夏にオランダに移住し、翌年からドイツを拠点に活動。高原直泰や稲本潤一などの日本人選手を中心に、欧州サッカーを取材した。2009年2月に日本に帰国し、『Number』『週刊東洋経済』『週刊サッカーダイジェスト』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。おもな著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『クライフ哲学ノススメ 試合の流れを読む14の鉄則』(サッカー小僧新書)など。

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