大学業界で、これからも食えますか? キャリア相談 【Vol.2】

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ここからはご質問者の個人の力ではどうにもならない日本の大学教育の展望についてです。

ご存じのとおり現在、欧米の有名ブランド大学は積極的にアジア展開を行っています。有名大学の名前を冠したプログラムをアジアの大学と設立するのもトレンドです。この中で、欧米有名大学は日本を飛び越え、中国やシンガポールの大学との提携を進めています。その背景には、欧米の大学側が新興国の経済成長を重視し積極的にプレゼンスを築いていることや、学生の英語力、大学関係者のコーディネート力・英語力といった問題もあるでしょう。

先進的な大学に移るのもアリ

日本の学生が世界で働いていくためには、日本の中堅大学でも外国人教員の受け入れ比率の増加や、学生が海外で学べるジョイントプログラムの増強が必須となってくることでしょう。

人気沸騰中の国際教養大学。ほとんどの授業は、英語で行われる(撮影:梅谷秀司)

日本の大学は生き残りのために、これらを推進すべきでしょうが、既に固まったシステムの中で進めるのはいろいろと障壁があります。まだまだ歴史の浅い、秋田にある国際教養大学が超一流企業に続々と卒業生を送りこんでいるのは有名な話です。同校はほとんどの授業を英語で行っていますが、こうした教育システムもすでに固まったシステムがなかったからこそ実現可能だったとも言えます。

ご質問いただいた大学教育の成長分野は海外の大学とのより密接な連携、外国人教員、留学生のケアやプログラムのコーディネートといった分野です。企業の人材ニーズや海外の大学との連携について語ることのできる人材はますますニーズが高まるでしょう。

ただし、大学によって体制や意識のバラツキが大きく、現実的にはご質問者の方が一人で何かできることはありません。英語でのコミュニケーションを学び、こうした分野の先行事例をご自分で研究された後には、先進的な大学に移ってプロとして仕事をされるのも選択肢の一つかと思います。

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塩野 誠 経営共創基盤(IGPI)共同経営者/マネージングディレクター JBIC IG Partners 代表取締役 CIO

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しおの まこと / Makoto Shiono

国内外の企業への戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー業務に従事。各国でのデジタルテクノロジーと政府の動向について調査し、欧州、ロシアで企業投資を行う。著書に『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』(NewsPicksパブリッシング)、『世界で活躍する人は、どんな戦略思考をしているのか?』(KADOKAWA)等、多数。

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