寝たきり防げ!骨粗鬆症は「つくって」治す 旭化成の新薬が大ヒット

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薬効について詳しく触れる前に、まず骨粗鬆症のメカニズムを解説しよう。骨は皮膚と同様に新陳代謝を繰り返して、しなやかさと強さを保つ。「破骨細胞」が古くなった骨を溶かし(骨吸収)、「骨芽細胞」が新しい骨を作り修復する(骨形成)役割を担っている。

骨粗鬆症はこの骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨の量が減ってしまう病気である。自覚症状が出ていない人も含めて、日本での潜在患者数は1200万~1300万人ともいわれる。加齢とともに発生しやすい病気だが、骨密度が絶対的に低く、閉経によって骨を保つ女性ホルモンが急激に減少するため、特に中高年の女性に多い。

女性の場合、50歳ごろから骨が急激に減り始めるが、一般的に本格的な治療をしているのは60代後半~70代の患者が中心で、実際に薬物などを投与しているのは250万人程度と受診率は決して高くないといわれる。

テリボンは骨の形成を促進

この骨粗鬆症のメカニズムに対し、テリボンは「骨芽細胞を増やし、骨形成を促進することで骨折抑制率を高める」(旭化成ファーマの古川栄一・骨領域プロジェクト長)という薬効を示す。

日本イーライリリーも「フォルテオ」の名称で同種の薬を販売。いずれも注射薬だが、テリボンは医師による週1回投与、フォルテオは患者自身の毎日投与という違いがある。また、テリボンの場合で、生涯に72週間までしか投与できないという一部制限がある。

テリボンのようなPTHが登場するまで、日本の骨粗鬆症治療薬は、骨吸収を抑える薬が主流を占めてきた。PTH薬はこれまでと逆の作用で骨粗鬆症を治すというワケだ。

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