中小調剤薬局”身売り”続出のウラ事情 潜在候補は全国1万店とも

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縮小

中小の調剤薬局が、資本力のある上場会社をはじめとする大手や中堅チェーン店の傘下に収まる“身売り”が急増している。

従来、中小薬局の“身売り”は、「近接の病院が移転・廃業した」「跡継ぎが見つからない」といった理由が主流だった。ところがここ半年間は、今年4月の薬価改定(約6%減)の影響で、調剤薬局が受け取る薬価差益は縮小。来店客の増加が難しい業者は固定費負担の重荷が火を見るより明らかだ。そこで先行きに見切りをつけて、経営体力のある中堅クラスの調剤薬局やドラッグストアに経営を委ねるM&A(企業の合併・買収)のケースが目立ってきた。

ジャスダックに上場する中堅調剤チェーンのファーマライズホールディングス(店舗数202、10月17日現在)は、淡路島など兵庫県下に15店舗を構える地場チェーンの新世薬品(年商15億円、従業員67名)を10月1日に完全子会社化した。

中小オーナーが上場企業の役員に就くケースも

ファーマライズ社は、2年半前に新世薬品の第三者割当増資に応じて、同社株の3分の1を保有。同社を持分法適用関連会社として、その後、提携関係を深めてきた。新世薬品のオーナーの赤松優仁氏は、完全子会社化になった後も社長を続投。11月1日付で、ファーマライズ社の執行役員に就任している。

新世薬品のケースは、中小薬局の身売りというネガティブなイメージのない、中小オーナーにとって、最高の条件といえるだろう。なぜなら赤松氏は、株式売却資金を得られたうえ、上場企業の役員に就くことができた。さらに、自前では難しかった自社の店舗網を、ファーマライズ社の資金と人材の全面サポートを得ながら、兵庫や中・四国にも拡大展開する可能性が生まれた。まさに「寄らば大樹の陰」といえる。

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