「本当のお金持ち」は目立つことを好まない おカネで買えない信頼は「気配り」でつかむ

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そこで、若いビジネスマンのために行きつけのお店を決めるコツを少し書いておきましょう。まずお店のジャンルですが、大富豪の会食は懐石料理や寿司、または素材にこだわった郷土料理のお店など、9割以上が純和食のお店です。大富豪の会食というと洋食とワインを思い浮かべる人もいるでしょうが、イタリアンやフレンチで会食を開くことはあまりしません(もちろんプライベートでは行きますが)。

なぜならそういった場に参加する人たちは毎日のように会食がある身のため、お腹に負担のかかる料理を敬遠する人が多いからです。もし自分が毎日外食に誘われると想像してみてください。いくらこってりした料理が好きな人でも、毎晩はさすがに厳しいでしょう。

和食で一席設けることが参加者へのおもてなし

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毎日会食に参加することは、3食中の1食を本人の自由意志で選べなくなることと同義です。だとすればローカロリーでヘルシーな和食で一席設けることが、参加者への最初のおもてなし(配慮)になるわけです。これは大富豪のコミュニティーにおける不文律となっています。

また、そのお店に個室があることも重要なポイントです。2人ならカウンターに座ることもありますが、基本的に経営者同士が集まる会食は公にできない話が多いので個室がないと会話が弾まないこともあります。

では実際にどうやってお店を見つけるかといったら、実は行きつけになるようなお店は人から紹介されることが多いです。なかには自分で開拓する人もいますが、それは趣味に近いものがあります。

大富豪の世界は紹介でなりたっている、と書いても過言ではないくらい、紹介の連鎖が頻繁に発生します。人の紹介、商品の紹介、お店の紹介など。インナーコミュニティーの話をしたとおり、大富豪は若干閉鎖的な一面があるものの、いったん仲間として迎えてくれたとたん親身になってくれます。大富豪の先輩であればいいお店のストックもたくさんあるでしょうから、いくらでも紹介されるようになります。

冨田 和成 ZUU代表取締役

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とみた かずまさ / Kazumasa Tomita

神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォーム運営、月間訪問者数は650万人を超える。金融機関や不動産業界のフィンテック化の推進支援や企業に対して鬼速PDCAシステムを導入する鬼速PDCAエンジニアリング事業を展開。監査法人トーマツ主催「日本テクノロジー Fast50」にて2年連続上位受賞(2016年度日本1位・アジア太平洋地域8位、2017年度日本3位)。2018年6月、設立約5年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。著書に『大富豪が実践しているお金の哲学』『鬼速PDCA』『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』(クロスメディア・パブリッシング)、『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』(ダイヤモンド社)、『稼ぐ人が実践しているお金のPDCA』(KADOKAWA)など。
ZUUonline:https://zuuonline.com
DAILYANDS:https://daily-ands.jp/

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