「本当のお金持ち」は目立つことを好まない おカネで買えない信頼は「気配り」でつかむ
なお、これは私がIT業界にいるからかもしれませんが、最近の傾向では若い経営者で時計をしない人が圧倒的に多くなりました。もししているとしても大半がアップルウォッチです。何事も効率的に動きたい世代からすれば理にかなっていますし、ウエアラブルが今後進化を遂げることが確実な状況下で、最先端のモノにふれておきたいという心情もあるでしょう。
「社会人で時計をしない人や、遊び感覚の腕時計をしている人は信用されない」という通説は、どうやらITの力の前に道を譲ることになりそうです。
その人のホスピタリティは店選びに表れる
その人が、どれだけ周りに気を配っているか。それはファッションだけではなく、会食でのお店選びにも表れます。
みなさんは、どのような基準でお店を選んでいるでしょうか? 経産省の商業統計調査データによると東京都だけでも飲食店は約8万8000軒もあるそうです。これだけあればお店選びに迷うのも当然で、ネットの評価をもとに開拓している人も多いのではないでしょうか。
私の知る大富豪を見ると、会食を開くのは行きつけの和食の店という人が非常に多いです。たとえば、私が懇意にしている某不動産コングロマリット企業のオーナー社長は、必ず東京・広尾の決まった和食屋で会食を設け、使う個室まで同じです。そこまで徹底している大富豪も珍しいのですが、実は呼ばれるほうとしても道に迷うこともありませんし、お店の雰囲気にも慣れてくるので居心地がよくなります。メニューも少しずつ変わるので食べ飽きることもありません。
行きつけのお店を持つメリットは無理が言えることです。混雑時に急遽席を用意してもらったり、ゲストの好みに合わせて食材を用意してもらったりと何かと融通が利きます。相手が取引先でも上司でも、会食の目的はゲストをもてなすことです。大将や女将さんやフロアスタッフが味方として動いてくれる行きつけのお店ならサービスや食事の質が読めるので、ゲストに喜んでもらいやすくなります。ただ、そのお店のお得意様として特別扱いをされる身になるには、まずそのお店におカネを落とさないといけません。だとすれば、やたらとお店を変えて食べ歩くよりも、ここぞと決めたお店に通い続ける方が合理的です。
いきつけの究極と言えば入店に制限のある一見さんお断りのお店や、会員制クラブ(六本木の「アークヒルズクラブ」や、帝国ホテルの会員制ラウンジ「ゴールデンライオン」など)の存在もあります。こうしたハイエンドな空間での会食は、ゲストに対して一段上の特別感を演出できます。行きつけのお店であればそれ自体が誘い文句になりやすい、というメリットもあります。「あそこの鯛めし、最高なんだよ。女将さんも美人で愛想がよくてさ」と誘われたら誰しも行きたくなるでしょう。
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