突破力あるリーダーとは(上) 新世代リーダー 石川康晴 クロスカンパニー社長

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

論理的なデータ+創造的なデータ

ここで、会場の方にearth music&ecologyの事業部長として発注責任者になっていただきます。今春のCMで宮﨑あおいさんが着ているカーディガンを発注責任者として何枚発注をするか、真剣に考えていただきたいと思います。

通常はアベレージを参照してベストな発注量を考えがちですが、弊社の事業部長は、アベレージの2倍以上で勝負をかけました。前年に発売した同じようなレースの付いたカーディガンの売れ行きを、これはまだ成長期だと。この時期が一番ピークで、成熟期から衰退期に入るところなので、ぜひ勝負がしたいと考えました。

一方で、こんなカーディガンはもう飽きているのではないかという議論も出ましたが、最終的には勝負をかけた枚数を生産しました。結果としては、5月31日の時点で92%の消化をしていますので、ほぼ100%消化する発注量が入れられたと思います。万が一、前年通りの枚数しか入れていなければ大幅な機会ロスになったので、非常に有効的な発注数だったのではないかと思います。

ここで思考のプロセスの話を入れたいのですが、どうしても人間は成功事例や失敗事例に思考が引っ張られるという癖があります。パソコン一つでデータが全部出てきますので、過去データと新規出店数を見て発注することは簡単です。しかし、将来的なマーケットの動きやトレンド性、競合の動きなどは、すべて創造的な概念で議論しなければなりません。

論理的な過去のデータと創造的なデータをプラスしながら意思決定しないと、誤った方に引っ張られていくというケースが見受けられます。これは、私がバイヤーのときからずっと大事にしている概念です。データはしっかり分析する。ただそれだけではなく、プラスアルファで次のシーズンに向けて、どういうマーケットになっているのか。市場創造性について議論しなければいけないということです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事