販売スタッフも全員正社員--アパレル業界の新星、急成長のカギは社員への投資

販売スタッフも全員正社員--アパレル業界の新星、急成長のカギは社員への投資

衣料品専門店が軒並み苦戦する昨年以降、独り勝ちを続けているのはユニクロ。が、2008年度に前年比2ケタ増の最高益を上げた衣料品専門店がほかにもある。岡山に本社を置くクロスカンパニーだ。20代女性向けのブランド「earth music and ecology」など約200店を全国の駅ビルやショッピングセンターに展開している。

Tシャツが3990円、ワンピースが5985円……。1万円を超える商品はなく、客単価は8000円ほど。店頭を一見すると、適度に流行を取り入れたベーシックな商品企画と値頃感が人気の要因のようだが、実は好調な業績を支える秘訣は別のところにもあった。

教育投資は惜しまない 店長に本格的な財務研修

クロスカンパニーの社員は9割以上が女性。石川康晴社長は「彼女たちが満足できる環境こそが顧客満足を生む。婦人服を扱う会社を動かすのは男性より女性であるべき」と断言する。結婚や出産を迎えても仕事が続けられるよう、産休などの休暇制度も社員モニターの意見を取り入れ、実際に使いやすい制度になるよう配慮した。

また、販売員はすべて正社員とした。店頭で接客をする社員は「売り子」ではなく「ファッションアドバイザー」と呼ぶ。ただし、その名に恥じないよう、教育はみっちり施す。

4泊5日の新入社員研修から始まり、接客スキルの向上を目的とした宿泊研修はつねに実施。年1回、全店からの代表が接客スキルを競う接客コンテストも開催。この大会で入賞することは社員の大きな目標だ。クロスカンパニーの社員は、入社4カ月目からすでにベテランの9割近くを売り上げるという。

店長の平均年齢は24歳。店長になるには、販売士や簿記など公的資格の取得を義務づけており、本格的な財務の研修も行う。売上高に対する人件費比率は13%以下に抑えているが、そのうち社員教育に充てる費用は約4%にも上る。

ES(従業員満足)の追求は、人事制度に限らない。労働生産性を高めることも社員満足、顧客満足につながるというのが石川社長の主張。そのためのユニークな制度もある。

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