販売スタッフも全員正社員--アパレル業界の新星、急成長のカギは社員への投資


レジ時間を27秒短縮 社員の業務を減らす努力

まず、店舗業務にかかる時間を年間25%ずつ減らす取り組み、名付けて「クオーターカット」。店舗業務を一つひとつすべて洗い出し、それにかかる時間を秒単位で計測する。1分1秒でも減らせるものは減らしていこうという活動だ。

たとえば、レジ打ちは客を待たせたままほかの業務ができない無駄な時間だ。そこで、2億5000万円かけて全店のPOSを新機種に替え、レジ打ちにかかる時間を客1人当たり27秒短縮した。1人27秒でも1日の来店客は200人、合計90分の時間短縮につながる。

また、商品が店舗に納入されると、その入庫作業に追われて接客ができなくなる。そこで、人件費を年間5000万円上乗せし、1日3時間だけ入庫作業を専門に行うアルバイトを雇うことにした。各店1~2人ずつ、幼稚園に通う子供を持つ母親などが、決められた納品時刻から昼間の3時間だけ働きに来る。

これらクオーターカットの取り組みによって、店頭業務はこの3年間で1店1日当たり420分から270分にまで削減できた。逆に言えば、接客に当たる時間が150分増えたということだ。「業務に縛られることがなくなると、社員の心がやさしくなった」(石川社長)。

一方で、クロスカンパニーでは、マネジャー以上のすべての社員に、自社店舗を年間100店回り、各店の接客スキルをチェックするというタスクを課している。「CSプラス1」と呼ばれる活動だ。社員が自らも研修で培ったプロの目で同じ社員を評価する。ユニークなのは「プラス1」。接客スキルに加えて、販売促進のマネジャーなら店頭のPOP、経理部なら店頭の小口現金など、自分の業務に関連することをチェックし、気づいた点をリポートする。クロスカンパニーの管理職は、現場から離れることがないのだ。

「アパレルが不況などと言ってられない。打つ手は無限にある」と石川社長は断言する。08年度に223億円を売り上げたクロスカンパニーは、11年度に売上高364億円、14年には500億円を目標に掲げるが、長期目標には1兆円を据えているという。「GAPを抜いて世界一まで到達するつもり」と、アパレル業界の新星はどこまでも強気だ。

(週刊東洋経済)

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