仕事ができる人は「正しい衝突」が超得意! 「雨を降らせて地を固める」はこうやる

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では、建設的な混乱期を効果的に作り出し、抜け出すためのテクニックをご紹介しましょう。

悪口を悪口にしない「フィードバックの習慣化」

不満は影でいうと悪口ですが、表立って言えば、建設的な問題点の指摘と言えます。お互いに「フィードバック」することを習慣化してしまいます。フィードバックとは、もともとは工学系の用語で、「評価を本人に戻してあげる」ことを意味します。

たとえば、定例会議などで、各担当者や仕事について、「良かったこと、残念だったこと、改善提案」を伝え合ってもらいます。私はこれを紙に書いて事前に提出してもらったうえで行っていました。慣れていないうちは、黙りこんでしまったり、不満ばかりを話してしまうことが多いからです。

ポイントは、感情的にならずにお互いを尊重したフィードバックをすることです。テクニックとしては、”Youメッセージ”ではなく、”Iメッセージ”で伝えることを徹底しましょう。Iメッセージとは「私は○○と思う」「私は○○のようにしてほしい」など、「私」を主語にした言い方のことです。Youメッセージとは、「あなたは◯◯ですね」、「あなたは何故そうするのですか?」というものです。

Youメッセージがなぜよくないのかと言うと、「あなたは、もっと○○すべきでしょう」という、相手への否定的なニュアンスを感じさせてしまうからです。すると相手は防衛的にならざるをえず、人の話を受け止める余裕がなくなってしまうのです。一方、「今、(私は)こんな状況なので協力してもらうと助かる」「ぜひ、力を貸してほしい」という“Iメッセージ”で言われれば「そうか、そういう状況なのか。何とかしてあげたいな」と、相手のことや状況を考える余裕が生まれてくるのです。

丁寧に伝えるとしたら、「私が考えるとこうなってしまうので、理由とやり方を教えてもらえると助かります」という言い方です。その上で、意見ややり方の相違を整理していけば、お互い感情的にならずに、着地点を探すことができます。場合によっては、相互理解が深まった結果、さらによいやり方を見いだすことも可能です。

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