ガス事業展開へ頼りにされる日本の資金力

米国シェール革命と日本《5》

今、米国側にとって最も注目されている資金の出し手が日本企業だ。シェールガスの開発や投資には莫大な資金が必要であり、日本企業のカネなしには立ち行かないといっても過言ではない。

米国はこれまでガスの輸入国だった。タンカーで運ばれてきたLNGをガスに変えて、パイプラインで各地へ流すのがこれまでのビジネス。それがこれからは、テキサス州やルイジアナ州など米国内で取れたガスをパイプラインで逆方向に流し、LNG基地で液化して輸出しようとしている。ガスを液化したり貯蔵したりする施設への投資などで極めて大きな資金が必要となる。その資金の出し手として、日本企業が円高や資金調達力の高さもあって有利な立場にある。

地位低下を懸念するメジャーが輸出の行方を左右

――最大の焦点は、米国産ガスの対日輸出がいつ、どれだけ実現されるかです。

(再選された)オバマ大統領は今のところ、FTA(自由貿易協定)を結んでいない国に対する輸出は「イエス」とも「ノー」とも言っていないが、今の日本企業の行動は明らかに、日本へ輸出されることを前提として進められている。FTA締結国に対しては、すでに輸出が認可されているためと思われる。

ただ、エネルギー政策を外交のカードに使う米国は、無尽蔵に資源を輸出することには懸念が強い。輸出により米国内のガス価格が上昇する一方、外国が米国の安いガスを大量に利用できるようになれば、米国の相対的な産業競争力が低下すると考えるからだ。

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