米国産ガスの対日輸出には限界

米国シェール革命と日本《1》

 

--野神隆之・JOGMEC上席エコノミストに聞く

 


米国では近年、シェールガス、シェールオイルの本格的生産が進み、米国内のガス、石油需給が緩和したことで、特に天然ガス価格が大幅に下落。「革命」と呼ばれるほどの経済的波及効果が生まれている。

 

日本は原発事故の影響もあって、逆に高い天然ガス、石油価格に悩まされているが、将来的には米国からの安い天然ガス輸入への期待も強い。先般、国内初となるシェールオイル採取のニュースが伝えられたこともあり、「シェール」への関心は一段と高まっている。

東洋経済では、米国シェール革命の意味合いや日本に与える影響、日本企業の取り組みなどについて、シリーズで専門家、関係者に聞く。第1回は、国内外で資源の探鉱や開発支援を行っている独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の上席エコノミスト、野神隆之氏に聞いた。

--米国におけるシェールガス、シェールオイルの生産本格化は本当に「革命」といえるでしょうか。

米国ではかつて、LNG(液化天然ガス)の輸入大国として国内の天然ガス価格が上がるとみられていた。しかし、米国内でシェールガス生産に関する水平坑井、水圧破砕などの技術が開発され、ガスの供給が増えたことで、価格が大幅に低下している。そうした需給上の大きな変化がもたらされたことが革命といえる。最終的にはガスの輸出国に転じようとしている。

シェールオイルについても、シェールガスほどではないが、需給への影響が最近指摘され始めており、革命になりうると考えられる。当初、米国ではシェールオイルはそれほど生産できないのではとの懸念があった。しかし、昨年11月の国際エネルギー機関(IEA)の見通しでは、米国のシェールオイルの生産量は2020年の日量140万バレルでピークを打つという予想だったのが、その1カ月後の見通しでは16年に日量170万バレルに上方修正され、今年7月には13年に日量160万バレルに改定された。

需給上の影響に加え、採掘が増える地域では雇用が増え、消費支出が増えるなどの副次的な効果も出ている。

 

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