「ラーメン」の真実をどれだけ知っていますか 思わず人に話したくなる蘊蓄100章

✎ 1〜 ✎ 35 ✎ 36 ✎ 37 ✎ 最新
拡大
縮小

81. 店名の〈モモフク〉とは「桃福」であると同時に、日清の創業者・安藤百福へのリスペクトでもある

82. 大学卒業後、ロンドンを経て東京のラーメン店で働いた経験のあるチャンはラーメンを米国流にアレンジ

83. 肉好きな米国人に向けベーコンをスープに使用。蒸しパンに豚角煮を挟んだサイドメニューも提供している

84. 米国育ちの韓国系であるチャンは食のオスカーと呼ばれる「ジェームズ・ビアード」でベストシェフを受賞

85. そのモモフクと同エリアのイーストビレッジに「せたが屋」「博多一風堂」が開店したことから注目を浴びた

86. 地元メディアは「ラーメン戦争勃発」と書き立て、近隣にNY大学があったことから学生の口コミも広まった

2014年のインスタント麺消費量1位は中国・香港444億食。日本は3位55億食(写真 : tumeyes / PIXTA)

87. その結果2012年、NYのラーメン店は60軒に達し「NYストリート・ラーメン・コンテスト」も開催

88. システムの不具合でコンテストの順位は決まらなかったが、ラーメン人気はブルックリンなどへも飛び火

89. 世界ラーメン協会によると2014年のインスタント麺消費量1位は中国・香港444億食。日本は3位55億食

90. 2015年、世界のグルメガイド『ミシュラン2016年版』で巣鴨の「Japanese Soba Noodle蔦」が星を獲得した

世界で初めてラーメン店が『ミシュラン』の星を獲得

91. 評価は「一つ星」だったが、世界で初めてラーメン店が『ミシュラン』の星を獲得するという快挙であった

92. 2012年に「蔦」を開いた大西祐貴は、1997年藤沢に開店した「七重の味 めじろ」の主人・大西良明の次男

93. 祐貴は〈ラーメンは日本が誇る日本食の一つ〉をモットーに醤油にこだわり誕生したのが「醤油そば」だった

94. 「醤油そば」には、和歌山産を中心とした生揚げ醤油、本醸造醤油、白醤油などを厳選してブレンド

95. 国産小麦100%の自家製麺で青森シャモロック・あさり・白身魚を出汁にイタリア産黒トリュフと鶏油を使用

96. しかし店前の行列には近隣からの苦情も多く、2015年12月27日をもって2号店「蔦の家」を休業した

97. 日本のラーメン普及に貢献した移動式「屋台」は近年、道路交通法等によって街から姿を消しつつある

98. 移動式屋台の「ドレミーレド、ドレミレドレー」という客寄せ音を奏でる楽器は「チャルメラ」と呼ばれる

99. チャルメラは2枚リードの木管楽器でオーボエの祖先といわれ、安土桃山時代にポルトガルから伝来した

100 ラーメン屋台で使用され始めたのは明治30年代の横浜。大正時代には東京でも定着したがいまや幻である。

(文/寺田 薫:モノ・マガジン編集部、モノ・マガジン2016年2月2日号より転載)

■参考文献
参考文献・HP/「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)「ニッポン定番メニュー事始め」(彩流社)「転んでもただでは起きるな!」(中央公論新社)「ラーメンの謎」(イースト・プレス)、新横浜ラーメン博物館、日清食品、ラーメンデータベースほか関連HP

 

モノ・マガジン編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

『モノ・マガジン』はワールドフォトプレス社が発行するモノ情報誌。原則、隔週で発行している。公式サイトhttp://www.monomagazine.com/

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT