21. しかも来々軒は1杯6銭と安価で提供。連日店前に行列ができ、その人気は1976年に閉店するまで続いた
22. また屋台ではなく「店舗」を構えたラーメン店としては日本初であり、東京ラーメンの元祖といわれている
23. 1914年には日本橋茅場町に「中国料理 大勝軒」が開店。いまも東京に現存する最古の東京ラーメン店である
24. 1916年、栃木・佐野に「宝来軒」が、22年には札幌・北大前に本格中華料理を提供する「竹家食堂」が開業
25. 中国人料理人・王文彩が作る竹家の麺は、塩味ベースの中華料理「肉絲麺(ルースー麺)」が原型だった
26. しかし日本人にはなじみが薄くのちに醤油味スープにチャーシューやメンマをのせた麺に改良。人気を呼ぶ
27. 1925年、喜多方で最初のラーメン店「源来軒」が開店。32年には大阪・梅田の阪急に「支那食堂」が誕生
28. 1937年、九州最初のラーメン店といわれる「南京千両」が屋台で営業を開始する
29. 東京でラーメンが流行していると耳にした主人が上京して修業。当時は醤油ラーメンがベースだった
30. 同年、東京・錦糸町では難波二三夫が屋台「貧乏軒」(のちの「ホープ軒本舗」)をスタート
31. 銀座「萬福」、京都「新福菜館」、飛騨高山「まさご」、和歌山「丸高」等が開店するが日本は太平洋戦争に突入
ラーメン屋台の出現で全国へ広がる
32. しかし戦後、中国からの引揚者によるラーメン屋台が全国に出現。国内にラーメンが広がるきっかけとなる
33. また戦後の物資が乏しい時代、安価で温かく栄養がとれるラーメンは日本人にうってつけの食物だった
34. 1946年、札幌で松田勘七が「龍鳳」を開業。この頃、九州では久留米「三九」が白濁した豚骨スープを開始
35. 南京千両は東京ラーメンをベースとしたさらりとした豚骨スープだったが、三九はドロリと煮詰まったもの
36. これが現在の九州ラーメンの源流といわれ、久留米をはじめ博多、熊本など九州全土に影響を与えていく
37. 同年、荻窪「漢珍子」、北海道では旭川ラーメンの「蜂屋」「青葉」が相次いで開業
38. 翌48年には荻窪で「丸長」、49年には「春木屋」がオープン。「荻窪ラーメン」の基礎が出来上がっていく
39. 1950年、札幌「味の三平」開業。当初は醤油味だったが55年に店主・大宮守人が「味噌ラーメン」を開発
40. 味の三平を訪れた『暮らしの手帖』元編集長・花森安治はこの味噌味に感激。同誌に紹介記事を執筆する
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