ダンロップの次世代タイヤが14年に登場へ
「環境」や「安全」をキーワードに、日々進歩する自動車。さまざまな部品の中で、自動車が地面に接する唯一の存在がタイヤだ。燃費や性能に直結する部品である。なかなか目には見えにくいが、開発の現場では熾烈な技術競争が展開されている。「ダンロップ」ブランドで知られるタイヤメーカー、住友ゴム工業もしのぎを削る1社だ。
住友ゴムは10月5日、タイヤの新しい製造技術「NEO−T01」を開発したと発表した。従来に比べタイヤの重さを10%軽量化できるうえ、高速走行時の形状変化を半分程度に抑えることなどを可能にする技術で、自動車の燃費や乗り心地の向上に貢献する。第1弾として、2014年に発売を予定している次世代ランフラットタイヤ(パンクして空気が抜けた後でもある程度の距離を走り続けられるタイヤ)に採用する。
新工法「NEO−T01」は、従来よりも「真円性」の高いタイヤの製造を可能にする製造技術だ。従来工法では、タイヤの完成形より小さいドラムに部材を張り付けたうえで、加熱・膨張させて最終的な成形を行っていたが、新工法では、実際の仕上がり後のタイヤの内側と同じサイズである「メタルコア」と呼ばれる金型に部材を張り付けて成型する。部材の張り付けは100分の1ミリ単位でコンピューター制御し、加熱する最終工程もなくした。
これによって最適な重量の部材張り付けが可能になり、タイヤを軽量化できるうえ、補強部材にこれまで使えなかった強度の高い素材を使えるようになる。軽量化による燃費向上ととともに、高速走行時のタイヤ形状の変化を最小限に抑え、より安全な走行が可能になる。
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