「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本 モノのインターネットで何がどう変わるのか
一方で、基本的な内容とその本質について、ゼロから理解できる内容はあまり普及していないのが現状です。しかし、IoTは、思っている以上に複雑な内容。基本や本質を理解せず、IoTについて考えるとワケがわからない状態になります。
そもそも「IoT」って何?
拙著『図解2時間でわかるIoTビジネス入門』(あさ出版)でも詳しく解説していますが、IoTのわかりづらさの一つに、「モノ」の定義が曖昧なことが挙げられます。
個人の生活においては、冷蔵庫や洗濯機がインターネットにつながることかもしれないという一方で、生産現場においては工場のラインがインターネットにつながることや、物流におけるトラックがインターネットにつながることであったりします。
「そんなに大雑把に言ったら、全部モノじゃないか!」と言いたくなるでしょうが、実はその通りで、IoTにおける「モノ」とは「ありとあらゆるモノ」を指します。つまり、IoTとは、「ありとあらゆるモノがインターネットに接続する世界」のことを言っています。
ここで強調したいのは、「ありとあらゆるモノ」だということです。中途半端に「これはIoTでいうモノに当たる」「これは違う」と定義づけようとすると、視野を狭め、ビジネスにおけるチャンスも逃しかねません。イスや机など、一見するとインターネットにつながる意味がなさそうなモノであってもIoTでは例外なく「モノ」だと考えることが、IoTを理解する上では重要です。
では、「ありとあらゆるモノ」がインターネットにつながると、何がよいのでしょう。それを理解するには、IoTの全体像を理解しなければなりません。IoTビジネスにおいては、以下のサイクルが基本的な流れとなります。
では、具体的に説明しましょう。
まず①ですが、「センサー」には、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、人感センサー、音声を取得するもの、静止画や動画を取得するものなど様々な種類があります。これらによって、モノから情報を取得することがIoTのスタートです。
次に、「②モノから得た情報を、インターネットを経由して『クラウド』に蓄積」します。インターネット上にはサーバというコンピューターがあり、クラウドとは、これ全体を指す概念です。たとえば、皆さんが使っているトークアプリ『LINE』もクラウドを使用しています。クラウド上にデータを保存しているため、パソコン、スマホなど様々な機器で情報を出し入れできるのです。
そして、「③蓄積されたデータを人工知能が分析」し、分析結果に応じて「④モノがアクチュエート」します。かんたんにいえば、モノから得た情報を分析して、モノが作動してヒトに最適なフィードバックをすることです。分析結果に応じた情報がスマートフォンに表示される、分析結果に応じてモノが動作する(温度、湿度、外気温などの情報を分析し、エアコンが最適な状態を保つなど)といったことが挙げられます。
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