松下幸之助は「訴えること」を大事にしていた

経営者の考えを社員に浸透させるには?

松下幸之助は繰り返し話をすることが大事だとたびたび話していた(撮影:高橋孫一郎)

組織がひとつの方向に力強く進むためには、経営者の考え方が社員に浸透していることが必要不可欠である。しかし、実際にはそれがなかなか思ったようにいかない。経営者は、どうやれば自分の考え方を社員に浸透させることができるだろうか。

大事なことは、訴えることである、と松下はたびたび話していた。

「そのとき、よう心掛けていないといかんことは、その訴える内容について、責任者がどれほどの思いを込めておるかということやね。まあ、重要なことだから一応みんなに話しておこうか、という程度ではだめやな。そんな気持ちであれば部下の人たちに、真意の一割も伝わらんやろう。100パーセントを伝えるために、100パーセントの思いを込めて話をする。しかし、実際にはその程度の思いでもあかんのやな。思いがまだ足りんわけや。部下に伝わっていくうちに、しまいには10パーセントほどになってしまうよ。100パーセントを部下の人たちに伝えようとするならば、責任者は1000パーセントの思いを込めないといかん」

1000パーセントの思いを込めて訴える必要がある

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溢れるばかりの思い、祈りにも似た情熱が込められた内容でなければ伝わらない。そして、燃えるような思いで訴えなければ伝わらない。これはほんとうに重要なことだから、なんとしても伝えるのだ、と。たとえ1つの部門の責任者であっても、その本質は同じである。

1度で覚えないのはけしからんと言っても、それが現実の姿である。むしろ責任者がそれほどの思いを込めていないということのほうが問題である。社員が自分の話を十分に理解しないとこぼす経営者がよくいるが、経営者自身が1000パーセントの思いを込めて社員の人たちに訴えているのかどうか。

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