もし人間が、みんな同じ顔をして、同じことしかしていなければ、これはそうとう気味が悪い。いろいろな人がいて、いろいろなことを考えて、いろいろなことをしているからいいのである。誰ひとり同じ人間はいない。百花繚乱という言葉があるが、それが自然の姿というものである。松下はよく、次のように言っていた。
「会社でもそうやな。従業員にいろいろな人がいないとあかんわけや。同じ人ばかりでは、全体として面白くない。それに会社としても強くなれない」
個性豊かな社員をどう活用していくか
経営をしていると、さまざまな問題が出てくる。そのさまざまな問題に対応するのには、一種類の人だけでは対応できない。いろいろな人がいるから、この問題は君がやってくれ、この問題は君が得意だ、という分担ができる。それで会社は強くなる。
「昔話で桃太郎というのがあるやろ。猿とキジと犬。みんな違うわね。違うから、それぞれの役割が生まれ、違うから鬼退治ができたわけやね。それと同じように、会社にもいろんな人がいないとあかんな。まあ、個性を持ったというか、特徴を持ったというか、そういう人の集まりにすることが大事といえるね」
個性豊かな社員たちをどう活用していくか、これが経営者の腕の見せどころである。個性豊かな社員をたくさん持ったら、組織がバラバラになるのではないか、と考える人がいる。しかし、そんなことはない。逆である。体験的に言って、むしろ個性的な人が多いほうがまとまりやすい。
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