「食べる」ドラマがテレビを席巻しているワケ

「ごちそうさん」「天皇の料理番」脚本家が語る

ドラマにおけるアイテムとして「食べ物」は強い(写真 :tomos / PIXTA)
「ごちそうさん」(NHK総合)や「天皇の料理番」(TBSテレビ)など、“食”をモチーフとした作品を手がけた脚本家の森下佳子氏。自身のドラマにおける“食べること”の意味や狙いについて話を聞いた。

「ごちそうさん」で描きたかったのは“食卓を囲む人”

GALAC5月号の特集は「食べるドラマ」。食にまつわるドラマについて多方面から分析している(書影をクリックすると電子書籍の販売サイトにジャンプします)

──まず「ごちそうさん」を引き受けた、そもそもの話から伺います。

最初は制作統括の岡本幸江さんから「夫婦ものにしたい」という話がきました。今までの朝ドラには女の子が夢を追いかけるというフォーマットがあったんですが、どうも今の若い人には「夢の達成=幸せ」みたいな感覚はないんじゃないか、他の形で幸せというものを追求できないか……それで夫婦恋愛にして、食べ物をモチーフにということでした。

期間が長いだけに心配したんですが、〝食べる〟ということから逃げられる人はいないので、そのテーマを幹としてすがれば20数週走れるんじゃないかと思いました。テーマが「お菓子」だったら私は走れなかったかも。お菓子はそんなに必要な人じゃないので。酒飲みだし(笑)。

時代設定を大正の終わりから昭和にしたのは、過去を通して今を書いてみるのがいいのかなと思ったからです。関東大震災があって恐慌がきた、あの時代は現代の世相とすごく似ているところがあるんです。戦争を挟めば「食=幸せ」という図式も響きやすいだろうと思いました。

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