「食べる」ドラマがテレビを席巻しているワケ 「ごちそうさん」「天皇の料理番」脚本家が語る

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──食べるドラマをやるときに、人間ドラマと料理のバランスはどれぐらい?

どんなに押しても、人間ドラマ7:料理3ぐらいじゃないですか。最近はまさに料理が主役のドラマもあって、それを見たい人もいるから何とも言えないですけど、基本的に私はドラマにとって料理はモチーフだと思う。そこが逆転することはあまりないと思います。

食にはすごいパワーがある

──人間ドラマにおける、モチーフとしての食には、どんな魅力がありますか?

アイテムとして、食べ物は強い。一緒に食卓を囲みながら、何も伝え合うものがないっていう状況のほうが難しいんですよ。私たちだって、ちょっとご飯でも食べながらって言うのは、食べるものの力が大きいからだと思う。ハッピーになったり、和んだり。そりゃもう、すごいパワーが食にはあると思います。

──食がテーマではない「とんび」(TBSテレビ)でも、「二日目のカレー」はみんな泣いてましたよね。

やっぱり食べるシーンって、基本的にはほっこりしちゃうんですよね。事件ものだと、その人が家に帰って何かを食べながら事件を振り返るって、あまりやらないじゃないですか。それは緊迫感がなくなるから。でも私は頭が基本的に時計どおりに進んでいて、帰ったらこの人何を食べたんだろうとか、次の日食べてないことになるけど大丈夫?とか、良くも悪くも人間の生理みたいなものが気になってしまう。

──食べ物をテーマに作るとき、ヒロインとかヒーローの描き方に変わりはありますか? 料理好きな人は一途な感じがしますが。

まぁ料理に関しては一途なのでしょうけど。総体的なキャラクターとして一途である必要はないのではないでしょうか。浮気もありでしょ。でも、本気で食べさせようとしているんだったら、清潔であることは大事。例えば爪が長いと、料理を大事にしている感じがしない、男の人で髪の毛が長いのは論外でしょう。そういうところが本気度を表す部分にはなるかな。

──次は大河ドラマですが、食事シーンも描いていますか?

どちらかといえば、食糧を育てるほうの話になりそうです。米がどうやったら取れるかとか、今年は年貢が納められるかとか、種籾をどうやって保管するかとか。ちなみに昔の男の人って料理をしないイメージがあるんですが、監修の先生によると、料理は武士のたしなみだったらしい。それは戦場に行って兵糧を絶たれたら何もできなくなるからだそうですけど、おもしろいですよね」

──これから書かれるドラマで、書いてみたい食事シーンってありますか?

食事をしながら、仲がどんどん険悪になるっていうの、一回やってみたいですね。逆ベクトルとして、意外にそれ書いてないかもしれないですね。でもそんな自然の理に逆らったことが成立するんだろうか(笑)。

──それはもう期待しています。

(インタビュー/木村隆志)
 

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