今は人生真っ暗でも必ずその次がある--『“司法試験流”勉強のセオリー』を書いた
伊藤真氏(伊藤塾塾長・弁護士)に聞く
「正しい勉強の仕方は、そのままビジネスに生きる」。司法試験の指導で支持を集める「カリスマ塾長」は、何より合理的な学習の仕方を気にかける。そして「プレゼンの技術」「時間管理」などを通じて、ビジネスへの応用も指南する。
──勉強法を通じた「人生読本」のようです。
正しい勉強の仕方は、そのままビジネスに生きる。逆にいえば、ビジネスに生かせるようなことを学ばないならば勉強の価値は半減してしまう。
勉強法というとテクニック、受験技術ととかく考えられがちだが、勉強を通じて自分の人生をより豊かにできる。と同時に、社会の幸せの総量を増やす、多くの人たちの幸せ作りに貢献できると考えるといい。それが勉強する本来の目的ではないか。
──法律の資格試験は難関です。
30年ほど司法試験の受験指導の世界にいるが、その間に多くの合格や不合格の姿を見てきている。痛感するのは、そのときの結果は長い人生の過程の一コマにすぎないということ。それからの人生にどう生かすかは本人次第だ。合格であれ不合格であれ、自らの人生にとって等価値であるとしっかり理解できていれば、試験に際しても普段の力を発揮でき、むしろ目の前の目標・目的(ゴール)に対していい結果を出せるようだ。
ビジネスパーソンでも、ネガティブにとらえざるをえないような経験や人生の節目が必ず何回かはあるはず。しかし、自分に降りかかった出来事にどういう意味を与えて、そして自分の人生をよりよくしていくのか、さらには周りの人たちによりよい影響を与えていくのか。それはまさに本人の心持ちや考え方次第だ。そういうことも勉強を通じて理解できるようになり、それが自分の生き方の実践に役立てられるようになれば、すごくいいなと思っている。