確かにビックラムヨガでは爽快感を得られましたが、心の安らぎなど本来のヨガの意味を追求することは、私にはできませんでした。そこで、次にクリストファーと私が始めたのが、フローヨガ(Flow Yoga)です。これはやせるためではなく、リラックスしたり、集中力を高めたりするためのヨガ。「ナマステ」のあいさつから、1ポーズごと、区切りなくゆっくりヨガのポーズを続けます。自分の息づかいに合わせて流れるように(Flow)動いていくわけです。ヨガに詳しいクリストファーによると、このヨガは瞑想に近いそうです。
ちなみに、フローヨガは認知度が非常に高く、ウォール街の金融マンなど特に多忙な人たちに人気です。私の友人男性の1人も長時間のデスクワークによる頭痛や集中力不足に悩まされてきましたが、このヨガを始めてから背筋が伸びて、気分的にも穏やかになったとか。ヨガの直接の効果かどうかはわかりませんが、少なくともヨガをやっているときは忙しい日常から離れて自分と向き合える。これが彼にとっては、とても必要な時間だったようです。知人のヨガ講師によると、ヨガスタジオを訪れる生徒に、精神的に頼られることもあり、カウンセラーのように接することもあるそうです。
私はビックラムから始まりフローヨガを3年間やり続けました。ただ私の場合、ヨガだけでは補えない“心の穴”がまだありました。スタジオに通うためにおカネをかけることも、地下鉄に乗って通わないといけない煩わしさにも嫌気が差していました。
そんな中、ある日、自宅近くのプロスペクトパークを散歩していると、年齢も体型もさまざまな人たちが気持ちよさそうに走っている姿が目に留まりました。汗をかきながら全力で走っている姿に感化され、私も走り始めることに。ランニング経験のない私は1分走って5分歩くというスタイルから始めましたが、2週間もすると15分ほど走れるようになりました。それから約3年経った今では、毎朝プロスペクトパーク1周(約6キロメートル)を走るのが日課です。
キツかったランニングが今でも続いているワケ
さて、どんなスポーツにしてもやり始めるのは(よほどウエアや道具におカネがかからないかぎり)難しくありません。でも、大事なのは持続すること。もちろん、ダイエットの場合は特にすぐに結果を出したいものですが、ランニングこそ毎日続けないと何の意味もありません。私もランニングを始めたころは、ヨガをやめた反動で体重がリバウンドし、走っても体が重いし、スピードが出ないから周りのランナーにどんどん抜かされるし、とつらいことばかり。せっかく体にいいことを始めたのに、劣等感の塊でした。
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