アメリカンドリームは死んだ?
日本で今年の就職活動がスタートしました。就活制度が毎年コロコロかわって、翻弄されている学生さんたちは本当にお気の毒ですが、では、アメリカの若者世代・ミレニアルズたちの就業意識はどのようなものになっているでしょうか。アメリカの影響を受け、今後、日本の若者たちの意識も変わっていく可能性もあるので、今回じっくり取り上げてみます。
2015年12月、あるニュースが米国人に驚きを与えました。ミレニアルズ18歳から29歳に対しハーバード大学が行った調査、「アメリカンドリームはまだ生きているか、それとも失われてしまったのか?」という質問に対し、「生きている」と答えたのは49%「失われた」は48%で、ちょうど半々の結果でした。
日本人が見たら「ふうん」という感想かもしれませんが、米国人にしてみれば「えっ? 失われたと思っている若者が半分もいるの?」というのが正直な感想のようです。
そもそもアメリカンドリームとは何でしょうか?検索すると、「すべての米国人が等しくチャンスを与えられている。目標に向かって懸命に働く事で、成功と豊かさを得る事ができるという理想」と書かれています。
アメリカンドリームの象徴がマイホームやマイカーに囲まれたミドルクラス(中流)の生活であり、さらにそれを極めたのが一代で成り上がった大統領候補ドナルド・トランプや、ビル・ゲイツなどのビリオネアなのです。
米国に存在する数多くの問題、人種差別、貧困……でも努力すればチャンスもある、それが米国が米国たる所以。米国人にとっては合衆国憲法や建国の精神と同様に、愛国心の源であり心の拠り所でもあります。
ですからアメリカンドリームが失われた、と感じる若者に対し、「この国はそこまで落ちぶれてしまったのか?」とショックを受けたのです。
ではなぜ若者の半分がアメリカンドリームは失われたと感じているのでしょう?大きな理由のひとつはミドルクラスの消滅です。