国内外で映画化オファーが殺到しながらも、そのスケールの壮大さから成立に至らず、まさに「映像化不可能な小説」と言われ続けてきた夢枕獏のベストセラー『神々の山嶺』が待望の映画化を果たした。
標高8848メートル、氷点下50℃、最大風速は50メートル以上。邦画では初となる、エヴェレストの山中、標高5200メートルでの撮影を敢行。キャスト、スタッフ共に10日間かけて酸素が薄い高地を順応しながら登り、さらにそこから1カ月以上にわたるネパールロケに挑んだ。本作『エヴェレスト 神々の山嶺』画面には圧倒的な風景が広がる。
野心家のカメラマン深町誠には岡田准一。深町と対する羽生丈二に阿部寛。その他、尾野真千子、佐々木蔵之介、ピエール瀧、風間俊介、甲本雅裕など実力派俳優陣が参加している。
本作のメガホンをとったのは、『愛を乞うひと』『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』の平山秀幸監督。過酷な環境の中で迫力の映像を生み出した平山監督に、撮影への心構えや自身の監督人生などを振り返ってもらった。
過酷な撮影が続く「僻地監督」
――前作『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』は、サイパンやタイなどでロケが行われ、過酷な撮影だったと聞いています。本作ではエヴェレストと大変過酷な撮影が続いています。
最近では僻地監督と呼ばれていますからね。次はできれば温泉ものの映画を作りたいなと思っています(笑)。
――今回は山を題材とした映画でした。
僕は山の経験がまったくなく、登ったことがあるのは高尾山くらい。この映画の企画者もシナリオライターもみんな山登りの経験がなかった。特に僕は高所恐怖症なので、原作を読む前に表紙を見て、ああ嫌だなと(笑)。高いところに行かなきゃいけないでしょうから。
――原作を読んでみていかがでした?
実際に読んでみると、そういった怖さを越す何か、火の玉のような強いエネルギーが原作から感じられて。これは怖いけれど受けようかという気分になりましたね。
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