シャラポワの薬物使用動機に専門家が疑問符 「心臓疾患や糖尿病治療のため」は本当なのか
[ロンドン 9日 ロイター] - 女子テニスの元世界ランク1位、マリア・シャラポワ(28、ロシア)が陽性反応を示した薬物、メルドニウムは東欧の限られた国でしか認可されていない薬であり、専門家は心臓疾患や糖尿病治療のためという本人の説明に疑問を呈している。
シャラポワは、薬物は心電図に異常が見られ、糖尿病家系であることなどから、10年前に家族のかかりつけの医者から勧められたと説明。以来、薬を使用していると話していた。
専門家は、メルドニウムはシャラポワが語った症状には限られた効力しか持たず、シャラポワがトレーニングをする米国や欧州にはよりデータと安全性、実績に優れる薬がいくつもあるとの見解を示している。
メルドニウムを販売するラトビアの薬品会社グリンデクスは、同薬では患者によって4週間から6週間投与され、場合によってこのコースを年に2、3回行うべきと説明。狭心症などの心臓疾患のほかにも、過労による運動能力の低下などにも効果があると話した。ただし、糖尿病には勧められていない。
英シェフィールド大学の心臓専門家は、シャラポワの年齢の女性アスリートが心臓に疾患を抱えていることは考えにくく、狭心症などの症状があればトップレベルでテニスはできないとの見解。
また、英リバプール大学の薬学教授は、米国や欧州で認可されていないことが一番の問題であり、「医者としてこれまでも、今後も決して処方しないものだ」との意見を述べた。
シャラポワの弁護士はロイターの取材に対し、「シャラポワには2006年に心電図の異常があり、無気力症や免疫力低下、そして糖尿病の指針が出ていたことは確認できる。また、心臓疾患の家系でもあり、メルドニウムでの治療によって治していた」と話している。
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