デキない男のホワイトデー戦略はなぜ凡庸か

デキる男には「その手で来るか」の驚きがある

一見、素敵なホワイトデーの返し方に思えますが、問題はほかの大多数の男性も同じ戦略を取っていることです。その他大勢と同じ軸で考えるので、インパクトや面白みに欠けるので抜きん出ることが難しい。漠然と「顧客満足度」を目指す企業の、ぱっとしないマーケティングに似ています。

「顧客満足度」ではなく「顧客の創造」

冒頭にご紹介した、デキる男性にホワイトデーの返し方を聞いた時は、驚かされました。

「僕は、ホワイトデーにお返ししません」。

よく話を聞くと、バレンタインデーにチョコをもらって何も返さないという意味ではありません。バレンタインデーのタイミングで、お世話になっている女性に彼からチョコやギフトを渡すのだそうです。バレンタインデーに先にお渡しするので、ホワイトデーに返すことはないという意味でした。

「日本のバレンタインデーは女性から男性にチョコ贈るのが儀式化しているけれど、それってどうかな……と思って。男性から女性に感謝の気持ちを贈ってもいいんじゃないかと。1人で世間に抵抗しています(笑)」という彼の話を聞いて、マーケティングの重要な理論を思い出しました。

かのピーター・ドラッカーが「事業の目的はただ一つ、顧客の創造である」と述べたように、マーケティングの本質は「顧客満足度」ではなく「顧客の創造」。新しいマーケットをつくりあげることと言われています。

新しい顧客の創造には、自分の立ち位置を際立たせるくらいのマーケティングが必要です。そのためには、既存のマーケットを否定して、既存のルールを変えた「アンチテーゼ(反対命題)」を打ち出すくらいのことができないといけない。

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