コンビニ・グルメ最新事情--緻密な商品開発が結実、中食の改良で新規客を獲得
チェーン全店売上高が、2008年度は前期比11%増と好業績を上げたファミリーマート。既存店の日商伸び率は、タスポ効果を除いても同2%増程度と、小売業界全体が沈む中で好調が目立った。
その業績を牽引したのは、弁当類やデザートなどの日配商品と、店頭で調理されるフライドチキンやおでんなどファストフード。コンビニの原点ともいうべき中食分野での売り上げアップが好業績につながった。6年前から進めてきた「ジェネレーション」「プライス」「リージョナル」という3軸による商品開発がようやく実を結んだといえる。
一つ目のジェネレーション戦略では、社内外から横断的に集めた10人程度の開発チームを結成した。これまで、若者向けのボリューム系商品に偏りがちだったコンビニ弁当だが、20年前にコンビニヘビーユーザーだった20代ももう40代。コンビニの利用客も中高年層が年々増えるなか、客の年齢構成比と品ぞろえにミスマッチが生じていたのを解消しようと、「同世代による同世代のための商品開発チームを結成した」(ファミリーマート商品本部デリカ食品部長・赤荻達也氏)。
現在、商品開発チームは20代男性による「チーム若人」、20代後半~30代女性の「チームОL」、40~50代男性の「チームおやじ」、60代以上の「チーム団塊」の四つ。中でも「チームおやじ」は、「活〆かんぱち」など酒のつまみ系の品ぞろえが受け、3~4年前に比べて売り上げ3~4%増と効果を発揮した。
また、プライス戦略では「ユニットの価格」を重視。消費者が価値を感じる価格と量の相関関係に注目した。「だいたい1グラム当たり1円以下になると、販売動向がいい。つまり、450円の弁当だと450グラム以上でなければ価値を感じない。客層に応じ1グラム当たりの価格や量でセグメントしている」(同)。