経済危機で負担感増--授業料だけじゃない!私立にかかる本当のおカネ《本当に強い中高一貫校》

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東京都の「都内私立中学校の学費について」(09年度)によると、都内で初年度納付金が最も安いのはサレジオと八王子実践の54万8000円で、最も高い玉川学園中学部(国際学級)は182万2000円。一口に私立といっても3倍以上違う。

首都圏でも埼玉や千葉では東京よりも初年度納付金が安めだ。たとえば開智(埼玉)は初年度納付金を67万円に抑えている。


 入学後にかかる金額を正確につかむには、初年度納付金だけでなく、6年間の総額を知る必要がある。ほとんどの私立中学ではそこまで開示していないが、その点では本郷中学・高校(東京)のデータが参考になる(右・下表)。同校では「安心して入学できるよう、学校のすべての情報を開示しようという方針」から、中高6年間に必要な学費の明細を学校案内のパンフレットやホームページで積極的に開示している。同校の学費は都内の私立では標準レベル。この表に志望校のデータを当てはめれば、開示されてない項目も含め、本当の学費がおぼろげにでもつかめるだろう。

中高6年間の学費の中で見落としがちなのが「高校入学金」だ。実は中高一貫校の多くが、高校1年時にあらためて入学金を徴収している。また「施設負担金(施設費)」についても、徴収していない学校がある一方、中学1年や高校1年時などに必要となる学校もある。その分費用が上乗せされる点に注意が必要だ。

費用がかさむのは寄付金より海外研修

私立中学にかかるおカネで、保護者を悩ませがちなのが「寄付金」だ。無利子で卒業時に返還される「学校債」を集める学校もある。

本郷では寄付金も学校債もないが、募集している学校も少なくない。東京都の09年度調査では、対象となった都内私立中学180校のうち、寄付金は79校、学校債は10校で募集している。寄付金の場合、相場は20万円程度が多いが、聖心女子学院のように50万円を集める学校もある。


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