経済危機で負担感増--授業料だけじゃない!私立にかかる本当のおカネ《本当に強い中高一貫校》
「教材費や空調費、文化事業費……。引き落とし通知の手紙が、毎月のように来る。正直、ここまでおカネがかかると思わなかった」
神奈川県の有名私立中学校に息子を通わせる主婦のAさんはそう嘆く。「夫の安月給では賄えない。実家が近いので、週1回は帰って、お小遣いをせびっています」。
「学費」は私立中学選びの重要なポイント。保護者の多くは入学前にある程度調べているはず。しかし、入学後に想定外の費用がかかり愕然とするケースは、冒頭で紹介したAさんに限らず、少なくないようだ。
最近は学費を学校説明会やホームページで開示する学校が増えてきたものの、すべての費用の金額を明示している学校はまだ少ない。
私立の中高一貫校に入ると、本当はどれだけおカネがかかるのか。
6年間の合計で見ると公立との差400万円
私立の学費を知るうえで参考になるのが文部科学省の「子どもの学習費調査」(最新は2006年度、下図参照)だ。同調査によれば、私立中学の年間平均の学習費総額は、学校教育費(授業料・教材費・通学費・制服・寄付金など広義の学費)、学校給食費、学校外活動費(学習塾・家庭教師・習い事など学校外で必要な教育費)の合計で126万円。中学3年間なら380万円に上る。
同じように私立の中高一貫校では中・高の6年間で694万円。小学校も私立のケースでは小・中・高の12年間合計で実に1518万円に膨らむ。小・中・高とも公立の場合(計498万円)に比べ、中学から私立だと396万円、小学校から私立だと1020万円もの差がつく。
もっともこの数値はあくまで平均値。学費は学校ごとに大きく異なるのが実情だ。