ワインの近代化 その1 その背景:科学の発展《ワイン片手に経営論》第10回
■科学的手法:仮説・検証アプローチ
現在、科学は自然現象から社会現象にまでその対象を広げつつあります。社会科学、人間科学といった学問です。社会科学は、経済学、経営学、金融工学などが含まれます。そして、こうした対象の広がりは、科学手法自体に広がりを持たせます。科学の目的の一つに、さまざまな観察結果から普遍的な法則を導出することがあります。そのためには、客観性、再現性、観測可能性といった要件が必要であり、誰が見ても同じであることが求められます。
こうした挑戦を、社会科学、たとえば経営学(つまり経営科学)に適用したとき、極めて難しいことが起きます。この難しさは自然科学・社会科学・人文科学の差を比較すると分かり易くなります。
この表をみて分ることは、「同じ科学でもその検証の厳密さにどうしても差が生じる」ということです。その理由は、社会科学では、事象があまりにも複雑であることが大きな障害です。人文科学では検証のためのファクトがなかったり、曖昧であったりすることが大きな障害となります。
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