そのような状況の中で、企業はさまざまな形で学生にアプローチをしています。特に、今の時代はWEB全盛。ソーシャルメディアを活用した個別アプローチも多くなっています。
――インターネットで簡単に大量の情報にアクセスできる時代に、大会場で学生と企業が一堂に会する「合説」は、本当に必要なのでしょうか。
「大学のゼミやサークルの先輩から『合説なんて意味がない。行くだけムダ』と言われたけど本当か?」と、学生から質問されることがあります。長年リクナビの企画に関わり続けてきた人間のひとりとして、この質問にホンネで答えたいと思います。
合説参加企業・学生ともに増加
情報化社会の中でも、昔からある合説は衰えるどころか、着実に参加企業数・学生数ともに増えています。採用活動において「合説に参加する」という企業は、10年前の2倍以上(リクナビ調べ)。リクナビが運営する合説だけでも、この3年間で参加企業数は1.5倍近くになっています。
しかも特徴的なのは、学生に人気の高い著名企業ほど、参加意欲が高いこと。大手企業の出展社数は増える一方です。企業にとって採用は非常に大きな投資です。とりあえず参加してみようか、というような甘いものではありません。
説明内容にも工夫を凝らし、対応する社員らも周到に準備をするなど、企業側は相当のパワーをかけています。そこまでしなくても学生が集まるような人気企業でさえ、膨大な手間とヒマをかけるのはなぜでしょう。それは、学生に直接会える合説に期待しているからです。期待がなければ、多忙な企業が動くわけがありません。
――学生の参加数も増えているのですか。
合説に参加する学生は年々増加しています。特に昨年は採用広報開始が3月に繰り下げになり、学生の「直接企業に会いたい」というニーズは増加しました。これは、就職活動において「自分と企業がフィットしているか」という点を重視しているからでしょう。
ネット上でどれだけ情報があふれても、就職活動では「人と人が出会う場」が重要です。企業は学生にリアルな会社の姿を感じてほしいのです。学生もリアルな企業の話を直接聞くことで、自分の肌でその会社を感じることができます。会社も学生も「リアル」を求めているのです。
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