ただ、さまざまなアイディアが芽生え、それらを実施したからといって、すべてがうまくいくとは限りません。失敗も多々あることでしょう。「人は失敗が続きすぎると、努力すれば成功するという感覚が持てなくなる(学習性無力感)」という、心理学者・セリグマンの説もあります。失敗を恐れるあまり、新たなチャレンジに躊躇する人は少なくありません。
では、失敗を飛躍につなげるにはどうすればいいのでしょう? これには組織行動科学者・コルブの示した「経験学習モデル」が役に立ちそうです。いわく、「具体的経験 → 省察 → 概念化・持論化 → 試行 → そしてまた具体的経験……」といった試行錯誤、トライ&エラー、PDCAを繰り返しながら、失敗経験を次のステップへの糧にするのです。
琴奨菊関もそのようなステップを踏まれたのかもしれない、と思わせるエピソードがあります。ソフトバンクホークス・内川聖一選手が、スポーツ紙上で語っていたものです。
「鷹の選択」から学べること
「菊ちゃんとは、いつの間にか腹を割って話せる関係になった。(中略)『この動画が自分を奮い立たせてくれる』って、『鷹の選択』という動画を教えてくれた。鷹が年齢を重ねて衰えたときに、そのまま動かないのか、自分をいじめて進化するのか、どっちを選ぶのかという話。僕らも今から爆発的に伸びる年齢ではないから『自分はどうするんだ』と考えさせられた。教えてもらってよかった」
ここに登場する『鷹の選択』とは、ざっくり以下のようなお話です。
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