会社が売られる!そのとき「考えるべきこと」

悲観する人、新天地で花開く人

長年会社を支えた主力事業が切り出され、今後は別の会社のように大きく変わることでしょう。こうした《名を捨てて実を取る》判断をする会社は今後ますます増えるのではないでしょうか。

こうした判断は経営者の視点からみれば、会社の価値を高めるための正しい判断と評価すべきです。ただし、イメージング分野の事業に勤務していた「社員の視点」からすればどうか? 自分が所属していた事業が「売却」されるのは、どのような気持ちであったのでしょうか? 会社の英断を現場=職場の立場で考えてみましょう。

「残る」、「残らない」の決断

当方もリクルート時代、過去に所属していた事業が売却された経験があります。創業経営者が肝いりで立ち上げた情報通信事業です。社内でとトップ3に入る事業にまで成長しましたが、業界でのシェアは高いものではなく、価格競争で競合にかなわない状況に陥っていました。もはや、その後の成長性が見込めないと経営陣が判断。大手通信会社に売却されることになりました。翌年には大手通信会社の事業部門に組み込まれることになりましたが、その事業に関っていた社員たちは

「まさか自分の事業部門が売却されるなど青天の霹靂」

と慌てました。自分たちが立ち上げて、育ててきた事業。いくら、シェアが伸びなくても、それなりに収益をあげている。完全に撤退しない限り、社員で事業を守り抜きたい……と感じていたようです。いくらなんでも別の会社、しかも競合のような会社に売られるとは思わなかったのです。

ところが経営陣の視点は違いました。収益が出ているうちに事業を売却して、投資費用を回収したい。当たり前のことですが、経営陣と社員たちの事業に対する想いには大きなギャップがありました。ちなみに過半数の社員たちは別会社のもとで、これまで守ってきた事業の仕事をすることを決断しました。

「リクルート社に残って別の事業部門へ異動もできると、人事部から打診がありました。ただ、これまでの経験を捨てて、別の組織で仕事をするイメージが湧きませんでした」

と気持ちを話してくれた同僚の言葉には、複雑な気持ちになったことを覚えています。このように事業部門の売却が行われると従業員は「残る」「残らない」の大きな決断を迫られます。多くの職場で同様の決断に悩む社員たちがいることでしょう。

こうした事業の売却は会社単位での場合もありますし「カーブアウト」と呼ばれるような、事業部門を切り出して売却される場合もあります。 NECグループからカーブアウトされたビッグローブや、ソニーから切り出されたVAIOなどが有名なケースでしょうか。

次ページ実際に売られたとき、どう心を整えるべきか
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