バカ売れする「受験便乗」菓子はココが違う

語呂合わせだけじゃない存在価値を訴求

もっとも、成功したコラボばかりではない。話題にもならないこともあったというが、こうした取り組みが広まり、「応援のために使える」商品として開花した。

カールおじさんはパイオニアでもあった

「ほっこり応援しています」と語るカール担当の島田圭一郎氏。カール担当者は毎年、湯島天神に合格祈願に行くそうだ

受験応援菓子に参戦しているメーカーは多い。実は、受験生向け商品を日本で最初に取り組んだのは、2001年、カールおじさんで知られる明治「ウカール」と言われている。どのように生まれたのだろう。

カールといえば誰もが知っている商品だけに、よく言えば安心、悪くえば古いイメージが定着している。目先のイメージを変えるため、期間限定で新しい味を出し続けた時期もあった。その数は200を超えると言うが、目新しい味は直ぐに飽きられる。

「散々やって気づいたのは、結局、目新しい味はすぐに飽きる。味に逃げるのではなく、カールの原点は何かということが大事だと。それは、ほっこりするような楽しさや安心感を与えることでした」と、カールを担当するマーケティンググループ専任課長の島田圭一郎氏は話す。

「誰」にどんな「価値」を届けたいのか

顧客との接点を増やすことを重視するようになり、そこで出てきたひとつが受験だった。受験生本人や友人が多く買うというキットカットと違い、「ウカール」を買うのは受験生の家族が多いという。家族はカールそのものを食べたいというより、わが子の受験が成功するようにと、応援したい気持ちで買う。つまり、ウカールは、昔から変わらない安心感という価値を、受験生のみならず、その家族にも与えていたわけだ。

その先が興味深い。こうした接点を大切にする取り組みを増やしてきた結果、大人のユーザーが増えているのだ。カールのユーザーの中で、30代以上の男性が非常に大きなボリュームゾーンだという。

キットカット、カールのみならず、受験に便乗した商品は多い。味やパッケージといった目先の改善に走ったり、名前を変えるだけでは、大きな成果は出ていない。結局は、食べる本人だけではなく、「誰」にどんな「価値」を提供するのかの勝負。小手先の改善ではない、存在価値を定義し直し、その価値をきちんと訴求できた商品が、成功に結び付いている。

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