バカ売れする「受験便乗」菓子はココが違う

語呂合わせだけじゃない存在価値を訴求

何か付加価値をつけられないか。そう考えたときに立ち戻ったのが、発売当初からのキャッチフレーズである「Have a Break」だった。「Break」とは何かを考えていく中で、心の休らぎや不安の解消といったコンセプトが浮かび、人生の一大“不安”イベントともいえる『受験』において、受験生を応援できないだろうか、という流れにつながった。

「きっと、勝つ」は広めたい。でもCMはしない

新しいことにチャレンジしたいと語るキットカット担当の槇亮次氏。ちなみに、スポーツ界では、元サッカー日本代表の中山雅史選手が広めたという説がある

もっとも、「ただのチョコ」が語呂あわせだけで、頑張る人を応援するポジションを獲得できるほど世の中は甘くはない。「テレビCMで『きっと、勝つ』と連発しても、商売じみる。CMは数年経てばほとんど忘れられてしまう。でも、受験の時に、友人が渡してくれたキットカットはいつまでも記憶に残る。そう考えました」と語るのは、キットカットマーケティング部部長の槇亮次氏だ。

そこで、チョコのパッケージの裏側にメッセージを書けるスペースを作った。たったそれだけのことと思うかもしれない。しかし、メッセージを書いて手渡しができる。そのことが、単なるチョコが、受験を応援する商品へと昇格した瞬間だった。

渋谷区とのコラボ商品

キットカットが成功した理由はそれだけではない。他社とのコラボレーションという仕掛けが効いた。

コラボ先として目を付けたのは、受験生が受験時に宿泊するホテルや大学。300以上のホテルで、受験生にキットカットを手渡す仕組みを作り、日本各地の大学とコラボして大学ごとのエピソードやキャラクターを掲載した商品を作った。さらには、郵便局とコラボして、応援メッセージ付きのキットカットをはがき代わりに送ることができる商品も生み出した。

「受験の日の朝、ホテルのフロントから「きっと、勝ちますよ」と渡されれば嬉しい。志望校の名前入りキットカットは心に残る。『チョコ』と『郵便』の組み合わせが、応援という新しい価値を生む。それがまた話題になっていった」(槇氏)

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