「子どもの潜在力を引き出す親」はここが違う やる気を出させる秘訣は環境のデザイン

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白水:親の価値観を変えることは難しいことですが、親には心に余裕を持って子どもの才能の発掘を手伝ってもらいたいものですね。「TED」でケン・ロビンソンがスピーチで、「シェイクスピアだって7歳の少年だった頃がある」と話していましたが、まさにそうで、誰にだって子どもの時期はあるんですよね。そのくらいのおおらかな感覚で大人同士が視野を広げられる場があるといいですね。すると自分の子どもの学習や才能発掘の手伝い方も自ずと見つかるのかなと思っています。

子供の学習の動機付けと、才能発達を助ける3つのポイント

加藤:子どもの学習や才能発掘を親が手伝う、という話なのですが、手伝うときに必要なポイントはあるでしょうか。

白水:親が支援的行為をするうえで大事なのは、動機付けを親が外から支えてあげることですね。私はいつも、そのテーマについて考えてもらうときには3つの話を題材にします。考えてもらうときのやり方は、ジグソーメソッドを使います。これは、ひとつのテーマを学ぶときに先生から一方通行で教わるのでなく、そのテーマを考えるための2、3の材料を分担してそれを持ち寄って生徒グループでああじゃないか、こうじゃないかと話しながらテーマに対する答えを出していく手法です。集団で意見や自分なりの説明を言い合う場があることで、子どもは考え方や学び方そのものを学べるやり方です。

加藤:場を作ってあげることで、考え方や学び方自体を学ぶ動機を支えることができる、ということですね。

白水:そうです。昨年5月に亡くなった三宅なほみ先生はこれを知識構成型ジグソー法と名付けて、開発・全国展開していました。それを使って動機づけについても、動機付けられながら学ぼうということです。さて、それで扱うひとつ目が感覚遮断の実験に関する話です。苦しみから逃れたいだけが人間の幸福なのかというのを証明するために、1日寝ているだけで2万円もらえるバイトをさせたっていう話があるのです。ちょっと大がかりなのですが、目も覆って、音も聞こえないようにして本当に無感覚にしてしまいます。そしたら、どの人も2~3日ももたずに出してくださいって根をあげてきたというのです。つまり、人間は好奇心で生きていて、何もやらなくていいという状態が実は苦痛なのだということです。

加藤:文字どおり寝ているだけでおカネがもらえるのにやめたくなる、ということですね。確かに、ずっと何もしないだけならまだよさそうに思えますが、ここまで究極に何もしない環境を整えると、それがいかに辛いかというのがわかるのですね。

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