「給料脳」が、あなたの退職後の生活を脅かす

年収300万の下流化社会を生き抜く賢い選択

「給料脳」は、経済的な不安につながっていく危険信号です(写真:xiangtao / PIXTA)

平均年収。誰もが気になるもののひとつだろう。国税庁の調べによれば、2014年の給与所得者の平均年収は415万円ということだ。このうち賞与が63万円、純粋な給与は352万円。毎月の給与にならすとだいたい29万円である。また別のデータによれば、サラリーマンの年収は2001年がピーク。それ以降は下降し続けている(出典:賃金構造基本統計調査)。ここ数年はゆるやかに回復してはいるが、今後大幅に景気が良くなるとも思えない。

下流化する社会へ突入している!?

厚生労働省によれば、2014年の日本の平均寿命は男性80.50歳、女性86.83歳となった(平成26年簡易生命表)。60歳で退職なら、男性は20年、女性は27年の余生が待っているということだ。仮に2000万円の蓄えがあったとしても1年で100万円、1カ月8万円ほどで生活を支えないといけない。

発売後6カ月で20万部のベストセラーとなった『下流老人』の著者・藤田孝典氏は、「このままだと高齢者の9割が貧困化する」「年収400万円でも、将来生活保護レベルの生活になるおそれがある」と言う。

つまり、会社員時代の収入をどう増やすかだけではなく、退職後の20年、30年をどう生きていくのかが、今問題となっているということなのだ。

では、どうすればこれからの「下流化社会」とも呼べる時代を賢く生き抜くことができるのだろうか。

選択肢の1つは単純に「出世」だろう。しかし、某人気週刊誌でも「サラリーマンの9割が課長になれない」という特集が組まれ話題となったように、今の世の中、出世できる人はそもそも限られている。また、仮に出世できても、一部の大手企業や公務員を除き、定年後の不安を打ち消してくれるだけの退職金を出してくれる会社は少数だ。

もう1つの選択肢は「転職」だろう。スキルを高め、技術を磨く。転職市場における価値(マーケットバリュー)を上げることで、転職後の収入を上げていくという戦略は誰もが一度は考えるのではないだろうか。しかし、転職して給料を上げられる人の割合は30%と言われる。年齢が上がれば当然この数字も下がる。仮に転職によって年収を増やしていくことができても、定年退職すればそこから先の収入は激減する。

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