一般に、双方がもめた場合の夫(息子)が取り得る立場は4パターンです。完全にどちらかの味方について一方を叱責するか、もめるに任せて「見ざる聞かざる言わざる」に徹する。またはあなたのように双方共と、あなたが愚痴や不満を聞ける関係を保つ立場です。
少々お疲れのようですが、これまでのあなたが取って来られた態度は、間違っていません。解決しなくとも夫として息子としての責任を、果たしてこられたと思います。
妻も母親も敵に回さないことが大事
随分前ですが、私は、母親からも妻からも自分がいちばんの味方だと思わせている人、合田さんと出会いました。そして、そのやり方に理想の夫であり息子である姿を見た思いでした。親と同居する彼は、計算してそのような態度を取っているのではありませんでしたが、実に見事にその役割を果たしています。
妻(私の友人)には、「君の言い分はよくわかる。君の方が正しい。でも、あの年代の親の性格をすぐに変えるのは難しい。折を見て責任を持って自分が言い聞かせるから、若い君の方から我慢できることは我慢して尽くして欲しい。最終的には私はいつでも君の味方だ」。
その妻は、「夫はお姑さんにも、反対のことを言ってなだめていると思う。だってあの口の悪いお姑さんの口から、『嫁の味方ばかりする』と言って息子を叱るのを聞いたことがないから」。「それでも私の不満をじっくり聞いてくれ、最終的には私の味方だと思わせてくれる夫の存在は大きい」。「そして知らず知らず、お姑さんも私も、あまり息子(夫)を困らせないように自制し、成長してきたと思う」というのです。
合田さんはそれぞれの言い分をただ聞き流していただけではなく、いつも誠実にそれを受け止め、しかしじっくりと時間をかけて有形無形で、両者に働きかけていたのです。
想像ですが彼は母親にも、「お母さんの言い分が正しい。でも妻はまだお母さんほど賢くないから、それを覚えるのはこれからです。私も努力するから、お母さんの力も貸してください」なんて、言っていたのではないでしょうか? これはその妻の想像でもありますが。
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