プレゼン強者の「頭の中」はこうなっている! 案件を通し、あなたの価値も"一段上げる"

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役員定例会で報告したあとに、「これで君のステージは間違いなく上がった」と明確に言われたこともありました。特に「提供価値」と「自分価値」が相乗効果で相手に伝わることを勝ちパターンだと認識して以降、勝率もぐんと上がったように思います。同様に人のプレゼンテーションでも、ステージがアップするか、またはステイするか(現状のままか)を判別できるようになりました。

提供価値と自分価値を伝える時に意識するポイントはそれぞれ2つずつあります。

・提供価値では「独自性」と「わかりやすさ」
・自分価値では「強さ」と「親しみやすさ」

 では、2つの価値の伝え方とポイントを見ていきましょう。

コピペでは「独自性」と「わかりやすさ」が出せない

まずは「提供価値」についてです。提供価値を表現する際には、プレゼンテーションで伝えることのうち、「自分ならではの独自性は何か」ということを明確にしたほうがよいでしょう。

非定型業務ではどれだけ新しい価値を提供できたかがその人材の価値であり、その価値の独自性が高ければ代替のきかない存在として認められます。それが誰にでも提供できる程度の価値と判断されれば自分の価値は下がり、いずれはそれも定型業務と化していく可能性が高いわけです。

次のポイントである「わかりやすさ」が必要であることは改めて重要性を説明するまでもないことですが、仕事の非定型化、複雑化、専門分化が進んで行くにつれ、誰かに説明することはますます難しくなっていくと考えたほうがよいでしょう。相手に応じて「わかりやすさ」をコントロールしないと、仕事も進みにくく、価値も伝わらないのです。

パワーポイントなどのオフィスツールも浸透し、社内のデータベースにある資料やインターネットの情報なども入手しやすくなった一方で、「コピーアンドペースト」で資料を作る人が増えました。提案書を作成する研修を行うと、皆一様に同じような内容になってしまうことも。効率化と独自性はトレードオフの関係です。内容も表現もコピペで効率よく作るだけでは、キャリアステージを上げるプレゼンテーションとしては物足りないでしょう。

では、改めて独自性の出し方です。自分の強みを見せましょうというと「強みと言えるようなものはない」という方がほとんどですが、小さな得意技の掛け算で独自の強みを出すことだと思ってください。

たとえば、「分析力」だけではほかの人との差別化ははかれませんが、「顧客動向×通販業界×クラスター分析」と要素分解されると独自性が強まります。テーマ、業界・領域、業務、スキルなどを細分化し掛け合わせるのです。

次ページわかりやすさは相手に応じて「軸」を調整
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