この時のキーワードには、前述の「得意技の掛け算」からもってくるとよいでしょう。自分の「二つ名」を自分で決めるイメージです。二つ名とは、ある分野において実績のある人物に対して畏敬と尊敬の念を込めてつけられる別称のことで、「(よくわからないけれど)なんだかすごそう」というイメージを与えます。ふざけすぎたものは禁物ですが、名は体を表すとも言いますので、自分でもその領域で秀でていこうという気持ちが高まります。
「親しみやすさ」の演出、3つのテクニック
聞き手がすでに「強さ」を認識している場合には、「親しみやすさ」を前面に出しましょう。親しみやすさの出し方は、(1)共感を表す、(2)共通点を見せる、(3)笑顔を見せるという3つのテクニックがあります。
(1)共感とは
プレゼンテーションの冒頭で、「皆さんはきっと非常に困難でストレスの多い状況にいらっしゃると思います」、「私が何をしに来たのかと不信感を持っている方もいるでしょう」と相手の心境に理解を示します。これによって「話がわかる、聞く耳も持っているのだ」ということが伝わります。
(2)共通点とは
たとえば共通の趣味の話や、相手が関心を持っている事柄について話します。共通点が見つからない場合には、事前に調べておきます。相手に近づこうという気持ちは必ず相手に伝わります。また、自分の失敗談などもよいでしょう。たとえば「仕事を始めたばかりの頃はミスばかりしていました」と自己開示することで「近寄りがたいと思っていたけど、自分と同じ悩みがあった」と思ってもらうのです。
(3)笑顔とは
ここで親しみやすさという観点で気をつけたいのは、親しみやすさ=「かわいさではない」ということ。癒やされキャラや天然キャラを演出してもあまり意味がありません。ビジネスにおける親しみやすさはあくまでもかわいがられることではなく、相手に近づくことによって生み出すものです。必要以上の笑顔や、かわいらしいしぐさ、言動は「弱さ」を感じさせる場合もあるので、要注意です。
ここまで、キャリアステージをあげるプレゼンテーションの表技・裏技をご紹介してきました。自分価値を見せる必要性を述べてきましたが、自分ひとりだけで成し遂げられることはそれほど多くはありません。「XXさんのおかげで、この仕事を最後までできた」「XXさんの指導なくしてこの成果はさせなかった」など、長いキャリアを築くにあたり、仲間、上司、パートナーへの感謝の念を表すことも忘れずにいましょう。
次回は、多くの仲間の知識や意見をまとめて、アイデアや合意を形成していくファシリテーションのテクニックをご紹介します。
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