彼はそこから、もう一度自分自身のことを見つめ直してみたいと思いました。この頃から、彼は人の話を自分の行動や考え方に生かしていくことができるようになり、一歩大人に近づけたと振り返ります。
マニュアルや技術だけでは対応できない
最後に、Cさんのケース。1浪して迎えた正月、センター試験まであと2週間、2次試験まであと2カ月という時期のことです。家計のことを考えると、とても2浪はできないし、かと言って私立をたくさん受ける余裕もない……。そんな不安を抱える中、1通の年賀状が届きました。浪人中ずっと悩みを聞き励まし続けてくれた、親友からのものでした。
「今年は絶対に、全力を出し切って下さい。去年あんなに努力したんだから、大丈夫」
誰よりも彼を支え、誰よりも彼の努力を理解してくれているからこそ、この言葉の重みが強く胸に響いたと言います。「ひょっとしたら、親友は私自身よりも強く私の合格を願ってくれていたのかもしれません」とも話してくれました。試験当日はこの大切なハガキをお守り替わりに会場に持って行ったそうです。
苦難に直面する生徒たちに、マニュアルや技術で対応しようとしても、気持ちは伝わらず跳ね返されるだけです。目の前の生徒の気持ちに立ち、本心から語りかけるとき、話者の気持ちは相手の琴線に触れるのです。
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