「営業・接客系」の働き方はAI登場で変わるか レンジでチンするようにAIでデータ分析?

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ボタン1つで大量のデータ解析が可能に!?(写真 : Sergey Nivens / PIXTA)
「人工知能の進化と働き方の変化」を研究テーマとし、『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』の著書を持つ組織開発・人材育成コンサルタントの藤野貴教氏。近い未来に訪れる人工知能時代に向けて現存する職種の変化と、“私たちができる仕事の進化の仕方”とは?
この記事では、さまざまな職種がある中で多くの人が関係する「営業・接客系」の職種について取り上げてみます。

営業・接客系の仕事における人間の働き方の進化とは

前回の記事(AI時代に活躍できる人の「3つのタイプ」)では、AIが得意な領域と苦手な領域、AIに代替できない人間ならではの領域について解説しました。今回は、具体的に現存する職種の「営業・接客」を例に取り上げ、どんな部分がAIに代わる可能性があり、どんな部分が人間にしかできないものなのかを考えていきましょう。

その前に少し、2016年に経済産業省が打ち出した「新産業構造ビジョン~第4次産業革命をリードする日本の戦略~」というレポートを見てみましょう。

この中では、予測シナリオが2つ打ち出されています。1つは、国、産業、個人が今回起きているテクノロジーの進化に対応せずに、これまでどおりの産業・雇用体系を続けた場合の「現状放置シナリオ」。もう1つは、テクノロジー進化が与える影響を深く考え、産業・雇用を転換・流動化させた場合の「変革シナリオ」です。レポートでは、「痛みを伴う転換をするか、安定したジリ貧を取るか」という厳しい言葉を用い、「転換するならスピード勝負」であると明言しています。

強烈なのは合計数字です。「現状放置シナリオ」ならば735万人分の雇用が減るという見解で、一方、「変革シナリオ」ならば161万人分の雇用が減るという見解です。つまりどちらを取っても従業者数は減少する、という厳しい分析となっています。

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