ダメな経営者は「AIの本質」をわかっていない

「過剰な期待」も「過度な怯え」も間違っている

ディープラーニングなど機械学習の基本を理解しておくことが、ビジネスで重要になるだろう

日本は今、AI(人工知能)ブームの最中にある。

AIとは人間の代わりにコンピュータが能動的に知的な作業をする技術。コンピュータ誕生以来、人間が夢想しながらも実社会でなかなか役立つ成果を生みだせなかったが、近年は状況が変わっている。人間があらかじめ判断ルールなどを設定しなくても、コンピュータ自身がデータから傾向や特徴を学び、自ら答えを出す「機械学習」という技術が急速に進歩している。

企業でもさまざまなAIプロジェクトが進んでおり、この記事を読んでいる人の中にも関連プロジェクトに指名され、事業化を目指して準備中という人もいるだろう。『週刊東洋経済』は7月3日発売号で「60分完全理解 ビジネスのための使えるAI」を特集。リアルなビジネスツールとして浸透しつつあるAIの最前線を追っている。

『週刊東洋経済』7月3日発売号(7月8日号)の特集は「60分完全理解 ビジネスのための使えるAI」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

もし経営トップが次のような言葉を口にする会社なら、これから経営戦略にAIをうまく取り入れていくことは難しいかもしれない。

「2045年には『シンギュラリティ(技術的特異点)』がやって来ると言われている。あと30年弱で、AIが人間の知能を上回るのだ」

「いやいや、AIは囲碁の名人には勝てても、世間話のような簡単なことすらできない。結局、使い物にならないのだ」

シンギュラリティとはAIを含むコンピュータの能力が人類の能力を超え、社会に大きな変化をもたらす時点のこと。AIが自らの能力を超えるAIを自ら生み出せるようになり、これまでと異なる不連続な世界が出現するともいわれる。

次ページ一見すると正反対の両者だが共通するところがある
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