30代以上がハマる「男性用ニベア」の裏側 市場トップは意外にも資生堂ではなかった

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CM作りは各国に任されているが、あえて外国人を起用するのも、日本人を使うとニベアのイメージと違う気がするからだそう。BDFからも「なぜ日本人を使わないの?」と突っ込まれるそうだが、ニベアのイメージと商品インパクトを重視しての戦略だという。

ニベアメンは、現在60カ国で取り扱いがあり、グローバルでも男性用化粧品シェアナンバーワンだという(ユーロモニター2014年1月~12月 男性用化粧水、乳液などのフェイスケア市場にて)。最も売れているのはおひざ元のドイツだが、日本もトップ10に入っているそうだ。

この市場はまだまだ伸びる?

今、売れ行きがよいためドラッグストアでの販売スペースが拡大中。これによりテスター設置が増え、さらに店頭での売上が伸びるという好循環が生まれている。また、アマゾンの「花王ストア」での販売も好調だ。「奥さんに内緒で使っている男性も。店頭で買うのは恥ずかしいという人がネットで買っているのかもしれない」と、松倉さんは笑う。

「男性のスキンケア化粧品の使用率は約50%ですが、朝晩2回使う人や季節で使い分ける人もまだほとんどいない。何らかの肌悩みを抱えているものの、実際に何か対策をしている人もわずかなので、まだまだポテンシャルの高い市場です」と、同社マーケティング部シニアマーケターの林勝さんは分析する。

同じくドラッグストア系の30代以上向け男性化粧品には、マンダムの「ルシード」や大塚製薬の「ウル・オス」があるが、意外にも資生堂が近年、このジャンルを強化しておらず競合はまだ少ない。他社の動向を含め、今後も目が離せない市場である。

そういえば、毎晩お風呂上りに勝手にニベアクリームのフタを開け、「いいニオイ~」とウットリしながら全身に塗りたくる3歳の息子。母としては、既に「スキンケア男子」の兆候を見せる彼の動向からも目が離せない。

(撮影:今井康一)
 

佐藤 ちひろ ライター・エディター

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さとう ちひろ / Chihiro Sato

インテリア専門商社にて内装デザインや商品開発リサーチ等を担当後、美容系ECサイトや新聞生活情報面の編集に携わる。独立後は企業取材やライフをテーマにした企画を中心に執筆活動を展開。東洋経済オンラインでは「めちゃ売れ!コスパ最強商品はコレだ」「溺愛される商品にはワケがある」など消費財関連の連載執筆を担当。プライベートでは1児の母。

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