昨今、常備菜や作り置き料理などのブームとともに、「琺瑯」(ほうろう)が改めて注目を集めている。
琺瑯は、酸や塩分に強く細菌の繁殖も防ぐため、食品の保存容器として愛用する人が増えているのだ。汚れもサッと落ちて洗うのがラク。冷蔵・冷凍だけでなく直火・オーブンもOKなので、保存から調理まで用途の幅が広い点も人気だ。
特に料理研究家などのプロも絶賛するのが、野田琺瑯の保存容器「ホワイトシリーズ」。人気スタイリストの伊藤まさこさんが著書で紹介したことで一気にブレークした。
その名のとおり、白一色の外観だ。清潔感があり、器としても食卓に出せるこの洗練されたデザインに魅了される人は多い。サイズや形、蓋の種類も豊富なので、個々のニーズに合わせて選ぶことができる。次々とファンは増え、発売から10年後の2013年には、「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞した。まさに台所に立つ人々の“溺愛商品”といえるだろう。
ところが、同社に問い合わせたところ、意外な事実が発覚した。確かにホワイトシリーズは売り上げ数トップの主力商品なのだが、実はここ10年、「売り上げ金額」で首位を誇るのは、別の商品だというのだ。
意外なトップ商品は……
その隠れた溺愛商品の名は、「ぬか漬け美人」(3500円、税抜)。ぬか漬け専用の保存容器である。“ぬか床は毎日かき混ぜるもの”という認識が一般的かと思うが、なんとその必要がないという。
実はこれ、冷蔵庫での保存を前提に作られているのだ。低温保存では菌の活動が抑えられるため、少々放置しても腐らせる心配がない。猛暑日が続くような昨今の異常気象下でも、安定したぬか床を維持できる。
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