30代以上がハマる「男性用ニベア」の裏側

市場トップは意外にも資生堂ではなかった

ニベアメンには、大きな強みがもうひとつある。それは、「ニベア」という、長年培われてきた揺るぎないブランド力だ。ニベアは、ドイツの化粧品メーカー・バイヤスドルフ社(以下、BDF)のブランド。現在200カ国以上で販売されており、日本では、同社と花王の合弁会社であるニベア花王が日本の消費者ニーズに合わせて開発を行っている。

看板商品は、もちろんあの青い缶の「ニベアクリーム」だ。2011年に100周年を迎えた世界的な超ロングセラー商品。ママが子どもに塗ってあげているCMが印象的だが、実際、昔お母さんに塗ってもらっていたという人も多いのではないだろうか。

「ニベアは、単にクリームを売っているわけではない。肌を守る、大切な人を守るという世界観を次世代に繋いできた」と、松倉さんはその成功の秘訣を語る。幼少期に使っていたわけではないのに、穏やかな使い心地とホッとする香りに懐かしさを感じ愛用している筆者は、このブランド戦略にまんまと騙されているのだろうか。

青缶ブームも『マザーブランド』の強さがあってこそ

そんなふうに誰もが「安心感」を抱いてしまうニベアクリームだが、ここ数年は、口コミによりプラスイメージが一段と強化されている。例えば、誰が言い出したのかは不明だが、数万円もする高級クリーム「ドゥ・ラ・メール」と成分が似ていると話題になり、コスパの良さが改めて強調される形となった。

また、NHKテレビの番組「ためしてガッテン」で「洗顔後は保湿クリームのみ」というスキンケア法が紹介されて以来、これをニベアクリームで実践して美肌効果をネットに書き込む人が続出したため、「肌によい」というイメージも再認識されている。

今、ニベアのリップケアやボディケアなど他の女性向け商品も好調なのは、こうした影響も大きいだろう。幼い頃からの親しみに加え、このようなニベアの評判を身近な女性から聞き、ニベアメンを手に取る男性も少なくないはずだ。

追い風に乗っているニベアだが、そのブランド力の根幹をなすのは「マザーブランドを大切にする」という信念だ。商品も、BDFの技術を活用しながら日本向けに開発するが、ニベアのイメージを損なわないよう進めている。例えば、「AA」の開発の際、「基剤臭を消すために香りをつけよう」と研究チームから言われたそうだが、最後まで「無香料」は譲らなかった。「ニベアの肌にやさしいというイメージを裏切らないため」だという。

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